オーダーメイドジュエリー専門工房のMisabou Studioです。
◾️設計図
今回は、デザインと設計図を持ち込みでのオーダーメイドです。
いわゆる「設計図」をお持ち込みいただいたオーダーは、この時がMisabou Studioとして初めてでした。
元々あるデザインの品物に「限りなく近い物を作成してほしい」というのが当初のご要望でした。
元のデザインを模する製作は色々と問題もあるのでお受け出来ない場合もありますし、お受けする場合にも条件があるのですが、複製やコピーではなく、限りなく似たデザインということでよろしければ・・・
という条件のもと、今回オーダーをお受け致しました。
デザインはクロスが２重に重なったデザインのペンダントトップ。
当初はスワロフスキー入りをご希望でしたが、再現性と後々のメンテナンスを考慮して今回は石を入れない仕様での製作をすることになりました。
画像の物は二つのクロスが重なっておりますので、元々一体では無いと思います。
鋳物でここまで再現出来ますでしょうか。
やはり接合部分は溶接でしょうか。
↑打ち合わせ段階でのご質問。
「この場合、溶接での製作も可能ですし鋳造で一体化での製作も可能です。」
どちらの加工方法が良いかというのは、Misabou Studioでは仕上がりが良くなる方法、そして加工賃を含めてご負担が少しでも少なく出来る方法をその時々の仕様に合わせてご提案や選択をしています。
二つのクロスを溶接せずに一つの鋳造で隙間が有るように見せる事が出来れば、裏側は特にこだわりません。
隙間も0.5mmと記載しましたが、とりあえず隙間があるように見えればそれ以下の寸法でも構いません。
というご指示をいただいたので、今回は一体型鋳造方法で製作することに。
鋳造をする場合、事前にワックス原型を製作するのですが、寸法に特に厳密な今回のような場合、鋳造によって生じる収縮を計算して予め大きめに作っておく必要があります。
といっても、デザインや仕様によっても収縮率は違うので完璧に収縮を計算するのは非常に難しいのですが、経験上、この位は縮むかな・・・というのを踏まえて原型寸法を決めます。
今回は、仕上がり寸法より０.２ｍｍ大きく作ることにしました。
◾️仕上げ
緑色のワックス原型は、鋳造を経てシルバーに置き換わります。
時に、鋳造時に”鋳造エラー”が起こります。
クロス横棒の端の方に欠損がありましたので、修正をします。
「ス」と呼ばれる小さい穴・・・ならよかったのですが、少し奥が深い穴で棒の端まで鋳造時の溶けた地金が綺麗に流れなかったようです。
穴が深い分、修正も大変になります。
穴の修正を終えたら、湯道という凸状の突起物が本体についてきます。
これは鋳造を行えば必ず生じるものですが、この湯道を除去して綺麗にしていくことから仕上げ加工が始まります。
厳密な寸法に仕上げる為、ここからの仕上げは より慎重に行います。
寸法は最大で、縦29.5ｍｍｘ横22.4ｍｍｘ厚5.5ｍｍ。
仕上げは鏡面仕上げにします。
平面が組み合わさった構造なので、面ダレが起きないよう気をつけながらヤスリがけ。
バチカン（チェーンを通す部分）を出来るだけ小さくしたいというご要望があったので、小さく修正。
最終の艶出しをして完成となります。
クロスの角はご指示通り「0.1ｍｍ〜0.2ｍｍ面取り」して仕上げ。
今回のデザインは２つのクロスが重なったデザインで、僅かな「隙間」を設けることが重要なポイントになるデザインでした。
そしてこの隙間がご依頼主様の「こだわり」でもあるのです。
チェーンは、喜平チェーン。
1.2ｍｍ幅、50ｃｍ仕様。
50cmは男性用としては一般的な長さとなります。
素材はシルバーで製作致しました。
シンプルなだけに、僅かなズレや歪みが目立つ仕様なので気が抜けない作業が続きましたが、無事に完成致しました！
クロスの形状は、宇宙の原理や天地の交流を表すといわれていて、「神秘の力が宿る」とされています。
夢に向かって生きるための土台を築きたいという人や、精神を安定させてくれる心強いお守りが欲しいという人へオススメなモチーフです。
心身のバランスを整え、幸運へと導く最適なお守りとなってくれるでしょう。
お守りモチーフとしてはもちろん、ファッションにおいてもクロスは洗練さも演出してくれるので、あなたのコーディネートに新鮮さをプラスするアイテムとして取り入れてみるのもいいですね。
あなたも、あなただけのこだわりの”クロスな一品”を、Misabou Studioオーダーメイドで実現してみませんか^^？
もちろん設計図がなくても大丈夫です！！
Misabou Studioのデザイナーがデザインも設計もして、あなたのこだわりを形にするお手伝いを致します🎵
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